練習がてら今回はIGNコラム風に書き進めていこうと思います。
"ヴァーチャルリアリティ"には夢がある。空想上の世界に入り込み、様々な事象に触れえる機会を提供してくれるこの技術はゲーマーの感覚をより一層刺激してくる。『DRIVECLUB VR』において体験した、サイドミラーで対抗車を確認しラインを塞ぎつつコーナーの先に狙いを定めハンドルを切る高揚感。Gこそ感じられないものの、レースゲームとVRの親和性は素晴らしい。他にも『RIGS』の操縦感や『サマーレッスン』で感じた気恥ずかしさなどは、これまで体験してきたゲームで得た感覚とは一線を画すものだった。そういった体験から、まだVRを入手して数日ではあるが私はひとつの確信を得た。「最もVRと親和性の高いジャンルはホラーゲームである」と。

私がPlayStation VRを購入してまず起動したのは『BIO HAZARD 7:resident evil』の前身となるVRデモ『KITCHEN』だった。前情報から大筋は知ってはいたのだが、体験者のあまりにも大仰なリアクションから一際興味をそそられていたのが要因だった。本当にそこまで怖いものなのか?私は疑念を胸にヘッドセットを装着する。従来のホラーゲームにそこまでの恐怖を感じていなかっただけに半信半疑だったが、視界がゲームの世界に変貌した途端ある種の嫌悪感を抱く事となった。物の散乱する荒廃した部屋、手錠を掛けられた腕、椅子に縛り付けられた身体…いる筈も無い部屋、ある筈も無い状況にも関わらずそこには確かに現実感があったのだ。倒れていた男が起き上がりこちらに近付いてきた時、そのあまりの立体感に「これがVRか」と関心せざるを得なかった。解像度の低さからジャギーが目立ちはしたが、それでもその存在感には確かなものがあった。この体験は是非自らの目で確認してほしいので詳細は控えるが、終わるまでのたった数分間で私はこれまで触れてきた幾つかのホラーゲーム以上に恐怖を味合わされる羽目になった。この感覚は1度の体験程度では薄れる事はなく、再度触れてみても初回時と同じく嫌悪感を抱かせる結果を見せた。

その後幾つかのVRタイトルをプレイしたが、私の頭からホラーゲームが離れる事はなかった。あの時感じた嫌悪感は『KITCHEN』だけのものなのか?その疑問を解消する為、北米でローンチタイトルとして発売されたVRホラー『Here They Lie』の体験版をダウンロードした。そして起動した瞬間、私は後悔する。「何故こんな無謀な事をしてしまったのか」と。『KITCHEN』は椅子に縛られている設定であり、その場から動く事なく体験が進行していく形だった。しかしこちらは荒廃した地下道をハンディライトの光を頼りに自ら進まねばならない。左スティックを倒すと身体はゆっくりと前方へ足を進め始める。顔を向けた方向へとライトの光が動き荒れ果てた地下道のディテールを映し出す。閉じられた道の先に見える異形の影、進む度に聴こえる身の毛も弥立つ怪音。恥ずかしながら私は絶え間無く続く恐怖感に耐えられず、開始早々進む事を断念してしまった。これ以上は無理だと脳が拒否したのだ。近い内再度挑戦するつもりではあるが、あの迫り来る恐怖に耐えられる自信は全く無い。
PSVRの映像はTV画面にも出力されるので、直接体験していない人には普通のゲームの様に見える。だがその画面を見ても大して怖さは無い。事実知人が『KITCHEN』をプレイしている横で私はTV画面に出力された映像を見ていたが、実際にVRとして触れた時の1割程も恐怖を感じなかったのだ。私がVR体験として再度『KITCHEN』に触れたのは知人がプレイしているのを見た後だったが、それでも恐怖感を覚えた。TV画面でのホラーゲームとVRでのホラーゲームには大きな差がある。たった2つのホラーコンテンツを体験しただけではあるが、これまでホラーゲームでそれ程恐怖を味合わう事のなかった私が体験版すら最後まで進む事が出来なかった事を考えるにホラーゲームとVRの親和性は高いと言えるのではないだろうか。ホラーゲームファンは一度VRホラーを体験すべきだ。それによって更にホラー好きになるか、あまりの怖さにホラー嫌いになるかは分からないが。
という事で、VRとホラーゲーの親和性について書いてみました。
『KITCHEN』はDL専用かつZ指定なのでクレカないしVプリカなどが必要ですが、
100円なのでVRを手に入れた際には是非購入する事をお勧めします。
また、『Here They Lie』も国内で商標登録されたのが確認されたので、
そろそろ国内でも情報が出てくるかと思います。
なんだかんだで買ってしまいそうな気がしますね、最後まで出来る気がしませんが。
『バイオハザード7』も来年でますし、VRホラーは相当盛り上がりそうです。