前回の予告通り、SIEWWSの一員である『サッカーパンチプロダクション』と
彼等が手掛けた『インファマス』シリーズについて語っていこうかと思います。
因みに"SIEWWS"というのは、
「ソニー・インタラクティブ・エンターテインメント」の傘下にある開発スタジオを総称する
「ワールドワイドスタジオ」の略称です。そのままだと長いからね。
と、本題に入る前に宣伝。
以前この様な動画を製作して投稿しました。
インファマスシリーズ最新作である"セカンドサン"を紹介したものです。
このシリーズを知らない方はこの動画を観て頂けると大よその内容が分かるかと思います。
まずサッカーパンチはアメリカのシアトルに拠点を置くスタジオです。
設立されたのは1997年、今でこそSIEWWSの一角を担うスタジオとして活動していますが、
まず最初に彼等が手掛けたのはNINTENDO 64用タイトルである
『Rocket: Robot on Wheels』というアクションアドベンチャーゲームでした。
この作品は日本未発売なので詳しい事は知りませんが、
この頃から立体的なアクションを利用したゲームを手掛けていた様ですね。
2002年、PS2向けに『怪盗スライ・クーパー』シリーズを始動。
その後2004年、2005年と精力的に続編をリリースし、スタジオの評価を高めていきます。
特にスライ2では箱庭型のステージを舞台にミッションをこなすシステムを採用しており、
ここから現在まで続く彼等の製作スタンスが決まったと言えます。
そして2009年、PS3にて『インファマス』第一作目が発売されました。
クオリティは粗削りながら、アメコミの様な世界を自由に動き回れる魅力的な設定と、
衝撃的な結末を迎える物語は一部で高い評価を獲得。
2011年には続編『インファマス2』を発売。
格段に進化したゲームプレイとグラフィックで一躍スタジオの知名度が上昇。
同年には長年の付き合いであったSIE(当時はSCE)に買収され、WWSの一員となりました。
2014年にはPS4で『インファマス:セカンドサン』を発売。
全ての面において1作目からは考えられない程の進化を遂げてPS4初期を支え、
同年9月にはスピンオフ『インファマス:ファーストライト』がDL専用タイトルとして発売。
以降は新規スタッフを募集するなどして新作開発に努めています。
これがサッカーパンチの今のところの経歴です。
さて、私がサッカーパンチに出会った作品は『インファマス』でした。
しかし、作品のテイストが気になったからではなく、
『ゴッドオブウォーⅢ』の体験版DLコードが同梱されている事に釣られての購入という、
いわば「オマケ」の様な形での出会いでした。
そんな購入動機だったので、開封して真っ先にやったのはGOW3の体験版。
ですが、一応買ったものはやらなければ損だろうとインファマスもプレイし…
見事にハマりました。
正直なところ、私オープンワールド嫌いなんですよ。
移動が面倒臭いとか、ゲームのペース配分が雑だという点が理由で。
インファマスもその辺をクリア出来ているという訳ではないんですが、
様々な魅力が勝って一気にハマってしまいました。
まずアメコミの様な世界観設定。
この世界には"コンジット"と呼ばれる超能力者が存在します。
一般的に超能力として思い浮かべるであろうテレキネシスを用いる能力者もいれば、
火や氷といったお馴染みの要素を用いる者などその種類は様々。
そんな世界で主人公"コール・マグラス"が司るのは"電気"を自由に操るという能力。
これが本当に最高。
男であれば腕から電撃を放ち、電磁シールドで銃弾を防ぎ、電線の上を滑る様に移動し、
雷すらをも自らの意思で発生させる事が可能なこの能力にシビれない訳が無い。
オープンワールドは移動が面倒なのが嫌いと言いましたが、
インファマスのマップはそこまで大きくない事に加えて、
前述した通り能力を使って街中に張り巡らされた電線を滑る様に移動出来るので、
そこまで移動が苦痛にならないんですね。
その上、他の箱庭ゲームとは違い、建物の縁などに掴まってスイスイと上に登る事が出来、
しかも電磁ジェット呼ばれるスキルで、ゆっくりと滑空しながら移動も可能なので、
それ等を駆使して効率良く移動する方法を探すのがなかなか楽しい。
そしてなんと言っても私がインファマスが好きになったのはストーリーにあります。
序盤から中盤に掛けては謎を残したままに物語が進んでいき、
大小様々な出来事が起こる訳ですが、
それ等が何故起きたのか、誰が何の目的で事件が起こる様に誘導していたのかが
最後の最後、エンディングで一気に判明するのです。
それが本当に衝撃的で、私の中のゲームストーリー衝撃度No.1と言っていい程でした。
ゲームとしては1作目を基盤として様々な改良・改善を加えていった2作目・3作目の方が
優れているのですが、ことストーリーという点に関しては圧倒的に1作目が優れており、
是非ともこの路線でまた彼等にはゲームを作ってほしいと思っています。
というか、1の結末を前提に2へと物語は続いているんですが、
なんというか2の物語は1の物語が好きだった人が望んでいた様な展開ではないんですよね。
あまりネタバレになるのも嫌なのでオブラートに包んだ文章で書きますが、
このゲームにはプレイヤーの様々な行動に"善行"と"悪行"というステータスがありまして、
それによってイベントの展開や能力の質、エンディングなどが変化します。
(その辺も記事冒頭の動画で紹介していますのでどうぞ。)
2の悪ルートエンディングはなかなか面白い展開をしていました。
で、その悪ルートのエンディングで生まれた存在の様な敵が立ちはだかってくる事こそ、
1の物語が好きだった人が2に望んでいた展開だと思うんですね。
実際に2で出てきた敵はどうにもショボい。
なので、1の展開はそのままにシリーズをリブートしてほしいですね。
シリーズをプレイした人であれば、コールと2悪エンドの"アレ"を闘わせる事が
可能である事が分かると思います。
コールとアレの闘いとかもう最高でしょ。
それに1は当時としてもクオリティが高いゲームではなかったので、
今のサッカーパンチが再構築したバージョンを素直に見てみたいというのもあります。
SSでは主人公が変わり、電気の能力も登場しなかったので消化不良なんですよね。
やっぱり電気ですよ、このシリーズは。
現在サッカーパンチは新規IPを製作しているという噂があります。
勿論新たな事への挑戦は応援しますし、楽しみです。
しかし、インファマスシリーズも愛する身としては是非シリーズを続行してほしい。
新主人公のデルシンはデルシンで良いキャラですし、
善ルートでは精神的な成長もありましたから、まだまだ描けるキャラですからね。
とはいえ最も望むのはコールの復活&理想的な宿敵との対峙。
今年のE3では音沙汰ありませんでしたが、彼等が表舞台に戻るのを心待ちにしています。
という事で語ってみました。
今やるとかなり粗が目立って面白く感じない人もいるとは思うのですが、
あのストーリーの展開は本当に衝撃的なので、是非体験してみて欲しいと思っています。
PS Nowでレンタルも出来ますので、気が向いた時にでもどうぞ。
それでは今回はこの辺で。