先日発表された高機能版新型機『PS4 Pro』
性能は現行機の2倍以上となっており、様々な改良点が加えられているのですが、
まず真っ先に目玉である「4k解像度対応」という部分を見て、
「4kTVが無いと意味無さそう」と思ってしまう人も多いかと思われます。
しかし、「今一般的に普及しているフルHDのTVでも恩恵はある!」
という事を今回ご紹介したいと思いますので、気になっている方は是非ご覧になって下さい。
1.多種多様なオプション実装の可能性高し
まず最初に言っておかなければならないのですが、
全てのゲームが『PS4 Pro』の性能の恩恵を受ける訳ではありません。
勿論、従来のPS4と同様のゲームを従来の様に遊ぶ事は可能です。
現行機で遊べるものが『PS4 Pro』では遊べない、という事はありません。(逆も然り)
しかし、対応タイトルとなると様々な恩恵があるのです。
10月に発売される「ライズオブトゥームレイダー」も
『PS4 Pro』に対応する事を発表していますので、それを例に話を進めていきます。
まずこのタイトルは現行PS4では「1080p30fps」で動作します。
この数値がよく分からない人もいるかと思いますので説明しますと、
(知っている人は読み飛ばして構いません。)
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「1080p」とは「解像度」の事で、
TVやPCモニタなどのディスプレイのピクセル数を表します。
現在主流となっているのがフルHD解像度ですが、これが横1920:縦1080ドット、
合計2,073,600個のドットが敷き詰められて映像を表示しています。
1つのピクセルにつき1つの色を表示する訳ですから、
この数値が高ければ高い程、精細で美しい映像を表示出来るという訳ですね。
その次の「30fps」ですが、これは「フレームパーセカンド」を表します。
端的に言えば「フレームレート」という奴です。
映像というのは静止画を1秒間に何枚も更新して動いている様に見せています。
これはパラパラ漫画の原理と同じで、枚数が多ければ多い程滑らかに動きます。
それはゲームも同じなのですが、映像データをただ流すよりも負荷が掛かります。
ゲームの場合プレイヤーの操作を瞬時に反映させなければならないので、
より高いfpsを実現する為には性能が必要になります。
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さて、トゥームレイダーが『PS4 Pro』に対応した事で得られる恩恵ですが、
このタイトルはユーザーの好みに合わせて選択出来る3つのオプションを用意しました。
・4k(2160p)30fps
・1080p60fps
・1080p30fps&ビジュアル表現向上
1つ目の「2160p30fps」は当然4k対応モニタあってのオプションです。
しかし2つ目の「1080p60fps」は、従来の解像度を保持しながら60fpsで処理する事で、
更に滑らかな動きを実現させるオプションです。
現行のPS4では性能との兼ね合いで30fps処理が主流であり、
60fpsはマルチプレイがメインのFPSやスポーツゲーム、
縦マルチ(PS3やVitaとPS4のマルチ)やインディタイトルぐらいでしか見掛けません。
「グラフィックよりもフレームレートの方が重要」というゲーマーも少なくないですし、
3D酔いの回避や操作レスポンスの向上など、様々な効果のあるオプションと言えます。
そして3つ目は私の様な「グラフィック重視」のゲーマーにはたまらないオプションです。
解像度とフレームレートは現行版でプレイするのと変わりませんが、
余剰パワーをよりリッチなビジュアル表現の為に使用するというオプションです。
トゥームレイダーの様な映画的な演出、ストーリーを描くタイトルの場合、
60fpsには違和感を覚える人もいるかと思います(映画は24fps)。
よりリアルに、より映画的に楽しみたい人にはピッタリのオプションでしょう。
この様に複数のオプションを用意してくるタイトルは他にもあるかと思います。
既に発売済みの「アンチャーテッド4」や「ラストオブアスリマスター」は、
11月にパッチ配信で『PS4 Pro』対応を表明しており、後者はトゥームレイダーと同じく
30fpsにする事でビジュアルクオリティを向上するオプションがある事が判明しています。
更に、SIE(ソニー)のタイトルに関しては今後全てが『PS4 Pro』対応と明言。
新作「デイズゴーン」でも1080p動作時には驚く様なビジュアルの向上があるとしており、
4kTVを持っていない人でも性能を堪能出来る事でしょう。
2.シェア機能が大幅に向上
PS4の機能の売りの1つと言えば「シェア機能」でしょう。
ボタン1つでスクリーンショットや映像の保存、
ゲームプレイのストリーミング配信などが可能な現代を反映した機能です。
フレンドとネットを介してゲームの一時的な貸し借りが可能となるシェアプレイなどは、
私もよく活用させてもらっています(主にゲーム布教の為に)。
しかし、従来のシェア機能は幾つかの制限がありました。
・スクリーンショットは1080pのjpgもしくはpng
・録画映像は720p30fps
・ストリーミング配信の最大解像度は720p
・シェアプレイ及びリモートプレイは720p30fps
※録画機能を制限して60fpsにする事は可能
これらの制限は『PS4 Pro』では以下の様に緩和される事になります。
・1080p及び4kでのスクリーンショットが保存可能
・映像録画が1080p30fpsに対応
・1080p30fpsもしくは60fpsでのリモートプレイ&シェアプレイに対応
・1080pでのストリーミング配信が可能(利用サービスに準拠)
最近ではゲーム独自にフォトモードを実装するものも増えました。
アンチャーテッドやインファマスなど、素晴らしいスクリーンショットが撮影出来ますが、
それが4kの精細さともなれば一躍PCの壁紙に出来る代物に。
録画に関してもこれまでは実機よりも大幅に劣化してしまったものが、
大きく実機に近くなり、観賞に耐えるものになります。
これはシェアプレイでも同様で、美しいグラフィックが売りの作品などを
友人へお勧めする場合、その売りを余す事無く伝える事が可能になるでしょう。
3.フルHD解像度以下のコンテンツをフルHDへアップスケール
現状のPS4タイトルは基本的には1080pで処理されていますが、
バトルフィールドやアサシンクリードと言ったメジャーなマルチタイトルは、
1660x900pの少し低い解像度でレンダリングされている場合があります。
解像度は画面の精細さがそのまま表れる数値ですので、
高ければ高いに越した事はありません。(女優のシワが見えてしまう問題は別)
先程の説明で『PS4 Pro』は対応ソフトでないと恩恵が無い、と思われてしまったかもしれませんが、
ハードそのものがアップスケール機能(※)を搭載しているので、
上記の様な1080p以下のコンテンツを1080pまでアップスケールしてくれます。
あくまでアップスケールですので、ネイティブ1080pに比べれば精細さは落ちますが、
それでも従来のPS4で遊ぶよりも美しく表示される事は確実です。
※…指定の表示解像度に対し、その解像度に満たない映像を引き伸ばし表示する事。
その機能の精度が高いとネイティブ程ではないにしろより滑らかな映像になる。
これはゲームだけに限った話ではなく、DVDやBDなどの映像コンテンツも対象となります。
PS3のアップスケール機能は非常に優秀で、PS4はその面においては一歩劣る、
といった評価だったのですが、今回の性能向上によりPS3を凌駕する可能性を秘めています。
4.PSVR体験をより没入感高いものにする
PSVRは元より4k解像度ではありません。
その為『PS4 Pro』の恩恵が無いと思われるかもしれませんが、
VRというのは想像以上にハードスペックを必要とします。
低いfpsでは3D酔いを誘発してしまうからです。
頻繁にfpsが上下するのもNGとされています。
その為、PSVRは3D酔いを回避する為にfpsを最低でも60fpsに設定し、
フレーム補完機能で120fpsまで向上させる手法を取っています。
前述した通り、現行のPS4は30fpsが主流となっています。
これは現世代の平均的なビジュアル表現を保ったまま60fpsを実現する事が困難な為であり、
最低60fpsともなれば、グラフィックを大なり小なり犠牲にする必要が出てきます。
しかし、『PS4 Pro』は現行PS4の2倍以上の性能がある為、
60fpsにしたとしても、通常のゲームと同等のビジュアルクオリティを保てるでしょう。
VRとはバーチャルリアリティの略ですから、ビジュアルが良いに越した事はありません。
その世界に入り込むのであれば目に付く粗は少ない方が良いに決まっていますよね。
より没入感あるVR体験をしたいというのであれば『PS4 Pro』一択でしょう。
といった感じでまとめてみましたが如何でしょうか。
これからPS4を買うなら私としては『PS4 Pro』を推したいですね。
安価で小型なSlimも良いですが、長く使用しますし性能が高いに越した事は無いと思います。
何よりも「焦って4kTVを買う必要も検討する必要も無い!」と言いたい。
現状の4kTVはまだ発展途上で、解決されていない問題があります。
年末にはソニーから凄まじいスペックの新型4kTVが発売されますが、その分お値段も凄まじく高いです。
4kTVは来年以降性能向上と共に平均価格が下がっていく事は容易に想像出来ますし、
今はフルHDTVで滑らかな映像やリッチなビジュアルを楽しむのが良いのではないでしょうか。
それでは今回はこの辺で。